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2024年09月の自然動物園ぶろぐ
赤ちゃん誕生のウラ話
先日誕生したオオアリクイの赤ちゃん。
今回はせっかくですので出産に至るまでの話や当日の話など、ウラ話的なことをお伝えしていこうと思います。
最初にお見合いがうまくいったのは今年の2月のこと。
第1子の時の経験があるためか、アニモ・アイチ2頭とも要領がわかっているような印象を受けました。
その後、成功した日から5日間ほど連続で同居させ、お互いの反応が無くなったのを確認して同居を終了としました。
第2子の期待が高まる中、迎えた翌月の3月。
オスのアニモがしきりにメスのアイチの匂いを気にしていたため、妊娠の有無を確かめる意味でもお見合いをさせてみたところ、なんと成功。
え?
成功…???
もしすでに妊娠していれば今回のお見合いがうまくいくはずはありません。
実は2月のお見合いはうまくいっていなかったことがここで発覚。
第2子への挑戦は仕切り直しとなりました。
今回は3日間連続で同居させましたが、2月のことがあったため私もドキドキ。
2頭の様子を慎重に見守ります。
その後アニモにはアイチを気にするような様子は見られず、アイチにもそのような兆候はみられなかったことで、担当Rには「もしかするかも…」という気持ちが芽生え始めました。
オオアリクイの妊娠期間は160日から180日ほどといわれており、計算すると8月末から9月上旬くらいが出産予定だと思われましたので、そこに向けてしっかりと準備をしていくことにしました。
そしてだんだん近づく9月。
記録的な猛暑の中、お腹も少しふっくらしてきたように見え、日に日に出産への期待が高まります。
第1子のアモのときには出産前に1日中寝ている日があったので今回もそれを目安にしていたのですが、毎日いたって普段通りに過ごしているアイチ。
もう少し先なのかなと思っていた私に訪れた、
運命の9月4日。
担当Rはその日休みだったのですが、朝なぜかアラームもかけていないのに出勤の日よりも早く目が覚めました。
そしてなんとなくスマホに手を伸ばし、獣舎に設置しているカメラの映像を確認してみると…
いつもは寝ているはずのアイチが起きている!!!
しかも背中に何かいる!!!!!
一気に目が覚めたのは言うまでもありません。笑
これが風の便りというやつなのでしょうか…
すごく不思議な体験をした私Rですが、その後動物園に向かい、自分の目でもしっかりと赤ちゃんを確認することができました。
育児放棄などが起きていれば人工哺育が必要でしたが、丁寧にお世話をしてくれているようでその心配もなし。ほっと一安心です。
こちらは生まれた瞬間の大変貴重なカメラ映像です。
生まれた直後に、もう母親の背中によじ登っているのが確認できます。
野生動物の赤ちゃんはほんとに逞しいなと感じますね。
そして3週間あまりが経った現在、アイチと赤ちゃんは元気に過ごしています。
第1子のアモの時は生まれて数日後の体重が1.4キロだったのですが、今回の赤ちゃんは1.6キロで少し大きめ。
体重の増え方もアモの時は2キロに達するまで26日かかっていたのですが、今回は14日で2キロになり、順調に育っているようです。
ちなみに23日時点の体重は2.41キロとなっています。
今のところ、先日のぶろぐでお知らせしたとおり親子の展示は閉園間際の1時間程度となってしまい大変申し訳ないですが、徐々に時間も伸ばしていく予定なのでお待ちいただければと思います。
飼育頭数が少ないオオアリクイ。
その赤ちゃんが見られるなんてなかなか貴重な経験です。
ぜひ足を運んでいただいて、そしてとっても頑張ってくれたアニモとアイチをぜひ褒めてあげてくださいね!
では最後に赤ちゃんが生まれてからの秘蔵写真をお届けします!
これからも定期的にアップしていこうと思っていますのでそちらもお楽しみに。
(第1子のときに間違えたので性別の判定には慎重なR)
2024年09月27日
ワライカワセミのヒナについて
ワライカワセミのヒナについて、みなさまにお知らせがあります。
残念なことに、ヒナは8月12日の朝、ヘビ(アオダイショウ)に捕食され、
命を落としてしまいました。
親とほぼ同じ大きさまでに成長しており、もう少ししたら展示場に戻して
みなさまに見ていただく予定だったこともあり、このような悲しいお知らせを
しなければならないことに心が痛みます。
実はヒナがヘビに襲われたのは初めてではありません。
孵化して約1カ月となる7月25日、巣箱にヘビが侵入してきて半分体が
飲まれかけていたのですが、運よくお客さまがすぐに見つけてくださり、
職員に知らせてくださったので、ギリギリのところで救出することが出来ました。
幸いなことに致命傷もなく、ショックは受けていましたが安静にしていたところ
以前と同じくらいまでに回復しました。
写真は保育器の中で療養しているところです。
しかしこの約2週間後、また同じようにヘビに捕食され、今度は残念ながら
命は助かりませんでした。
一連の出来事を踏まえ、ヘビ対策を行いました。
ヘビが苦手な匂いのする錠剤を小屋に設置したり、侵入経路と思われる箇所の隙間
を埋めました。
これで万全というわけではないのですが、少しでもこのような悲劇が起きないように
出来ることはこれからもしていこうと思っています。
みなさまの中には、カワセミのヒナがいつ見られるのだろうと楽しみにしてくださった方もいらっしゃるかもしれません。
今年はカワセミが初めて繁殖に成功したという嬉しいニュースをお届けしましたが、
非常に残念な結果となってしまいました。
今シーズンの繁殖はこれで終わりなので、来年は外敵対策も万全にして、
かわいいヒナが安全に暮らしていけるような環境づくりを進めていきたいと思います。
(I)
2024年09月24日
コウノトリの死亡について
コウノトリが2024年9月10日に死亡しました。
このコウノトリは、2006年5月11日に横浜市立よこはま動物園で孵化し、
2009年3月19日に自然動物園にやってきました。
来園から昨年まではバードハウスの向かって右側の展示場で、
オスのショウジョウトキ1羽と仲良く暮らしていました。
昨年この場所に新しくクロツラヘラサギなどを入れたので、
いきなり同居はリスクが高いため、一旦コウノトリはペンギン横の
獣舎に移動し、頃合いを見て一緒にする予定でした。
しかし、その仮住まいで両脚が趾瘤症(しりゅうしょう:足裏の傷から菌が侵入することによって引き起こされる炎症のこと)になってしまい、数カ月治療をしていました。
ようやく良化傾向となり、展示場にあと少しで戻せるかもと思っていた矢先、
8月下旬に右脚の跛行(はこう:脚を引きづること)が見られました。
最初は脚の問題かと思っていたのですが、その後数日のうちに自力で立つことが
出来ずに、座り込むようになりました。
自分で餌の魚を飲み込むことも出来ないぐらい、衰弱が激しい状態となってしまいました。
レントゲンを撮ったところ、胃に金属のような影が確認されたので、
それが原因かと推測し、開腹手術で異物を取り除きました。
手術は成功し、なんとか無事に乗り越えたと少し安心していたところ、
その数日後に残念ながら死亡してしまいました。
飼育下でのコウノトリの寿命は平均35年と言われていますが、
この個体はまだ18歳と早すぎる死でした。
死亡した原因については解剖を行いましたが、明らかな異常は分かりませんでした。
目に見えない原因があるかもしれないので、今は検査機関で詳しく見てもらっているところです。
このコウノトリは過去に他の鳥たちには強気な態度で威嚇したりすることも
多々あったそうですが、治療で捕獲してもおとなしくてほとんど暴れることはありませんでした。
野生動物らしく、人には全くなつきませんでしたが、展示場にいる時は
その大きな体がお客様の目を惹き、「コウノトリってこんなに大きいんだね」や
「コウノトリってよくニュースで聞く貴重な鳥だよね」といった会話が
よく聞こえてきました。
この個体がコウノトリという鳥の普及における役割はとても大きなものだったと
感じています。
生きたドジョウが好物で、ドジョウを見ると一目散にやってきて上手にキャッチして飲み込む姿を目にした方も多いと思います。
唯一の仲間のショウジョウトキと並んで寝ていたり、小競り合いをしている姿は微笑ましいものがありました。
大きな体で存在感のあったバードハウスの仲間が死んでしまったことは
とても悲しいことですが、コウノトリから学んだことを今いる鳥たちに還元したいと思います。
生前コウノトリを見守ってくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
(I)
2024年09月21日
GNN(ビッグニュース!)
皆さんおはようございます、こんにちは、こんばんは。
いつどこで始まるか誰も知らない架空のニュース番組
オオアリクイ ニュース ネットワーク
『GNN(Giant ant eater News Network)』のお時間です。
この番組では日本全国のオオアリクイのニュースをお届けします。
過去のGNNのバックナンバーはこちら↓
今回はとても大きなニュースが入ってきました!!
江戸川区自然動物園で
オオアリクイの赤ちゃんが誕生!!!
前回のGNNでもお伝えしたオスの『アニモ』とメスの『アイチ』のペアですが、9月4日に2頭の間に赤ちゃんが誕生しました!!
↑生まれた当日の写真
現在は母子ともに元気で、母親の『アイチ』も丁寧に我が子の世話をしているとのことです。
大きさ(頭から尻尾まで):およそ58センチ
体重:およそ1620グラム
(生後4日時点)
2022年11月に当園で生まれた『アモ』の子育ての時には寒さの予防のため基本屋内のみで飼育をしており、来園者の皆さんへの赤ちゃんのお披露目は暖かくなるまでお待ちいただいていました。
今回は気温の心配がないため、その時よりも早い時期から可愛い赤ちゃんを皆さんにご覧いただけて嬉しい、と担当のRさんは話しています。
子をおんぶして移動する習性があるオオアリクイ。
体の黒い三角模様は天敵に赤ちゃんの存在を気づかれにくくするカモフラージュの役割があるともいわれています。
赤ちゃんをおんぶしているかわいい姿を見に、ぜひ自然動物園に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※9月21日(土)15:30頃から展示を予定しております。降雨の場合には展示を休止いたします。
※21日以降は15:30から1時間程度の展示とさせていただく予定ですが、天候や諸事情により予告なく展示を休止することがございます。ご了承ください。
ちなみに今回の赤ちゃんの誕生で日本のオオアリクイは17頭になりました!
近年のオオアリクイ界隈は、
2021年のサエ(メス 生誕園:名古屋 東山 現在:横浜 ズーラシア)
2022年のタケチヨ(オス 生誕園と現在:静岡 日本平)
同じく2022年のアモ(メス 生誕園:江戸川 現在:横浜 ズーラシア)
そして今回の赤ちゃんとまさにベビーラッシュ!
若い力と今いる個体たちの力を合わせて、これからのオオアリクイ界をさらに盛り上げていきたいところですね!
さて、ここまでお送りしてきたGNNですが、そろそろお別れの時間が近づいてまいりました。
オオアリクイのニュースとともに、またお会いしましょう。
お相手はRでした。
それでは皆さんごきげんよう。
(ウルトラスーパーニュースキャスター?のR)
2024年09月20日
ペンギンの一大イベントその名も・・・
換羽(かんう)です!
早速ですがみなさんはペンギンの換羽についてご存じですか?
換羽とは、古くなった羽が抜け落ち、新しい羽に生え変わることを言います。
鳥の種類や性別、年齢などの要因によって生え変わり方がそれぞれ違います。
自然動物園で飼育しているフンボルトペンギンは、年に1回この夏の時期に羽が全て生え変わります。
個体差はありますが期間は大体2週間ほどです。
そもそもなぜ換羽をするのか?
ペンギンの羽には保温機能や撥水機能がありますが、日光や水の影響でその機能が落ちてしまいます。
そんな羽の機能をしっかり保つために換羽をします。
換羽中のペンギンたちの写真がこちらです。
背中がごっそり
ライオンのようなたてがみ
お腹がごっそり(後ろのペンギンは換羽が終わって全身ツヤツヤ)
ご覧の通りかなりインパクトのある見た目です。
水の中で体温の維持ができなかったり、上手に泳げないので野生下だと海に入らなくなります。
魚も取りに行けないので絶食状態になります。
そのため通常時の倍以上の魚を食べてたくさん蓄えてから換羽に入ります。
自然動物園のペンギンたちも換羽中はほぼ泳がず陸場でぼーっとしている個体が多かったです。
こんな姿なので「病気かな?」「元気がないみたい?」とお客様から心配の声もありましたが換羽は年に一度訪れるペンギンたちにとって重要な一大イベントなんです。
現在は換羽を終えたペンギン達が魚をたくさん食べて元気よく泳いでいます。
まだまだ暑い時期が続きますが、ツヤツヤピカピカな姿で気持ちよさそうに泳いでるペンギンたちをぜひ見に来てくださいね!
S
2024年09月20日
ホウシャガメの展示場デビュー
皆さんこんにちは!飼育係のNです。
ブログでのお知らせが遅くなってしまいましたが、
6月末からホウシャガメ(※自然動物園で生まれた「仔ガメ」)を
プレーリードックの横にある展示場に出しています(^^)
外観はこんな感じです。
暑さ対策のため、建物のいたるところに寒冷紗を張っています。
仔ガメが過ごす場所には、紫外線が出るライトを取り付けたり、
隠れ家になるシェルターを設置したり…室内はこんな感じです。
土は乾きやすいので定期的に水を撒き、湿度を保てるように心がけています。
また、そのままに放置すると土が固くなってしまい、
衛生的にも悪いため週1回程度、全体をかき混ぜています。
そんなこんなをしているうちに展示を始めてから数か月が経ち、
仔ガメたちも担当者もようやく慣れてきたところです。
仔ガメたち、以前は人が居るとなかなかエサを食べ始めなかったのですが、
今や人が居てもいなくてもお構いなし、一目散にエサを食べにきます。
(大好物の桑の葉をモリモリ食べています)
また、普段の動きだけではわからない部分も多いので、
定期的に体重測定やボディチェックを行っています。
(徐々に体重も増えていて、一安心です)
猛暑といわれる日は室内が40℃を超えることもあります。
日陰をつくり、常に風通しの良い環境に整備したほか、
バックヤードで水浴びをさせるなど、暑さをしのいでいます。
(バックヤードで水浴び中)
成長期である今、飼育環境を整えることは非常に重要ですが、
1年間通して展示できるように日々奮闘中です(`・ω・´)
ご来園の際は、きれいな”ホウシャ”模様の仔ガメたちをぜひご覧ください!
(N)
2024年09月12日
金魚のおやつと呼ばれる水草
みなさん、こんにちは。
水生コーナー担当のTです。
みなさんは金魚や熱帯魚を飼育したことはありますか?
飼育したことがある方は、ペットショップなどの水生生物コーナーなどで
このように書かれた水草を見たことがありませんか?
『魚の隠れ家に』や、『金魚のおやつに』
と書かれた水草を
この水草の正体はアナカリスやカモンバと言った水草です。
当園ではアナカリスを使っています。
水生コーナーでも金魚や日本淡水魚の水槽に入れています。
実際にいれてある水槽がこちらです。
水槽の中に緑が入るだけで水槽の雰囲気がかわりますね。
ただこの水草、入れた途端に金魚たちに突かれます。
餌は毎日与えていますが、それでもせっせと突いています。
デザートは別腹というやつでしょうか?
数日でこのような姿に早変わりします。
見事に葉だけを食べて茎だけになってしまいました。
写真上が植える前のまだ青々としたアナカリスです。
写真下は金魚たちに食べられてしまったアナカリスです。
きれいに葉だけ食べられてしまいました。
さすがに茎は固く金魚たちでは食べられないので
雑食性の野菜でも魚でも食べるクサガメたちに食べていただきます。
最後にまた新しい金魚のおやつ『アナカリス』を植えて終了です。
T
2024年09月07日
それぞれのワタボウシ
ワタボウシタマリンは英名でCotton-top tamarin(コットントップタマリン)といいます。
頭の白い冠毛が綿の帽子を被っているように見えることからこの名前がつきました。
自然動物園では5頭のワタボウシタマリンがいますが、頭の冠毛の量など微妙に違い
があります。
去年生まれた、子どもたちのコメルとコラは冠毛がフサフサしていて量も多めな
感じです。
コメル コラ
近くで見るとツヤツヤしています(^^♪
大人の コニとサントは子どもたちと比べると少し量が少なく毛の感じもフサフサという
よりはボサボサ?な感じです(-_-)
年を重ねてきた証拠かもしれませんが…。 これはこれで貫録があります!!
サント コニの横からの冠毛
今年4歳のアンはコラとコメルよりももっと毛量が多くフサフサしています。
興奮すると冠毛が逆立ちます。
ぜひ、動物園に来て実際に近くで見て確かめて見てください。
あなたはどんなヘアースタイルがお好みですか?
2024年09月05日