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2024年02月の自然動物園ぶろぐ
展示、始めました!
以前のぶろぐにて、「アナホリフクロウ」の展示場の準備を進めているとお伝え
しました。
過去のぶろぐはこちらをクリック!
ついに2月13日から展示を開始しました。大変お待たせしました!!
そこで今回は展示場に移した時の様子をご紹介したいと思います。
移動させる時は捕獲が必要になりますが、その際には健康チェックを行うのも大切です。
捕まえた後に体重測定をしてから…
急いで展示場に向かいます!
鳥が怖がらないようにケースにタオルで目隠しを被せています。 |
さっそく舎内に放したいところですが、その前に伸びてしまった
嘴と爪を切ります。
これで全ての作業が終わりました。
しかしここで思わぬ出来事が…
展示場に出しましたが、一番高い鉄骨の所へと飛んでいってしまったのです。
そして日中は降りてこないという事態に。
鳥なので高い位置のほうが安心します。そういった場所を
好むのは当たり前なのですが、見づらくなってしまいました。
「アナホリフクロウ」は地面を歩くのが特徴です。
その姿をお見せしたかっただけに、残念な結果になってしまいました。
思い通りにはいきませんでしたが、会いにきていただけると嬉しいです。
その際は上の方を見上げてもらえると発見できると思います。
今後も展示場を工夫しつつ、観察しやすくしていきますので、
よろしくお願いします!!
J
2024年02月29日
リスザルのおやつ
突然ですが、これは何の花かわかりますか?
正解は落花生の花です。
なぜ、急に落花生の花??と思われる方も多いかと思いますが
リスザルの好きな落花生をおやつとして与えられたらと思い
リスザルの展示場の裏に落花生の苗を植えて育てていました。
落花生はどのようになるかご存じでしょうか?
一般的な豆は花のつけ根に実がつくことが多いですが、
落花生は土の中に実がなります。
あまり見ることがないと思いますので、成長記録を少し紹介したいと思います。
小さかった苗も約3ヶ月ほどで葉が増え、思っていた以上の成長でした。
6月頃 ⇒ 9月頃
7月に入ると最初に紹介した可愛らしい黄色い花が咲きだします。
花がしぼむと花のもとにある子房柄と呼ばれる柄がのびてきて
土の中に入り落花生のサヤができ中に実ができます。
子房柄がのびている途中 実が少しずつふくらみはじめる
土の中でサヤが大きくなるため、落花生を育てる時は
土が柔らかくないと成長しません。
土の中で実が成長し、葉が枯れてきたら収穫時期です。
収穫後はサヤの中の実がカラカラと音が鳴るまで乾燥させ、
お鍋で炒ってようやく食べられるようになります。
掘り起こした落花生 収穫し乾燥中
苗を植えて収穫し、食べられるようになるまでとても時間がかかりましたが、
リスザルたちに与えたら取り合いになるほど、あっと言う間に完食しました。
土が少し硬かったため実の成長が遅く手間がかかり大変でしたが
リスザルたちが喜んで食べている姿をみると
また挑戦しようかなと思います。
次回はもっとたくさん収穫できるといいのですが…。
(O)
2024年02月29日
雪がやんだら
2月5日~6日にかけて、江戸川区自然動物園のある東京でも2年ぶりに
積雪が観測されました。
さて、皆さん雪が降ったらやることがありますよね?
雪かきでしょうか?
車のタイヤにチェーンを巻くことでしょうか?
…いいえ、それは雪だるまを作ることです
なぜ雪だるまを作るのか?
それは、そこに雪があるから…ではなく、野生での暮らしと異なり
環境の変化に乏しい動物園の展示場は動物たちにとって退屈になりがちです。
そこで我々飼育員は少しでも環境に変化をつけてあげられるようなアイディアを
常に探しています。そんな飼育員にとって、珍しい積雪は動物に刺激を与えられる
良い機会というわけなのです。
(そしてこのぶろぐを盛り上げる良い機会でもあります。)
今回雪だるまをプレゼントしたのは、ブラウンケナガクモザル。
ただ、業務時間中に雪玉を丸めて大きくしている時間はないので、バケツに
雪を入れ詰め固めた、なんちゃって雪だるまをつくることにしました。
とはいえただ雪だるまを作るだけでは面白くないので、雪を詰める際に
中にブドウなどのフルーツを入れます。
これには、中のフルーツが雪が融けるにつれ時間をかけて出てくることで、
野生では日中の大部分の時間をエサを探し食べることに費やすクモザルたちにとって
少しでも本来の「時間をかけた採餌」に近づけられれば、という目的もあります。
そして雪を詰めたバケツをひっくり返すと…こうなります。
それをもう一回繰り返し積み上げた後、3段目は横向きにして乗っけて…
フルーツで目や鼻をつけて完成。
目はオレンジ、鼻はトマト、髪(?)はブロッコリーです。
もはや「雪だるま」ではなく「雪こけし」といった風貌ですが
気にしてはいけません
さてクモザルたちの反応はというと…
<動画>
最初は突如展示場に出現した謎の物体を警戒してか、興味を示す個体はいても
フルーツに手をつける個体はいませんでした。
<動画>
しばらくしてようやく勇気を出してブドウを取った個体が!
1頭がブドウを取ると安全だと判断されたのか、続けて何頭か取りに来る
ようになりました。
午後になったころには、外側のフルーツや野菜は食べ尽くされていました。
正直なところ担当者としてはもっとたくさんの個体が群れてフルーツを取る
絵面を期待していたのですが…そこまで盛り上がってはくれませんでした。
うーん、残念。
もしかしたら、ただでさえ寒いのに雪だるまなんてさわってられるか!という
個体もいたのかもしれません。
せっかく時間をかけて雪だるまを作った身としては少しでも成果があった
ことにしたいので、「時間をかけた採食」に近づけることができました!
…ということにしておいてください。
ちなみにこちら↓ワラビー担当者が作った「ワラビー雪だるま」。
かわいい。
これが…センスの差か…!
(M)
2024年02月28日
ブナとユウユウの「ひ孫」がやって来た!
2月14日に、大島公園動物園からレッサーパンダがやって来ました!メスで名前を、「サクユリ」といいます。「サクユリ」とは、絶滅が危惧されているヤマユリの変種で大島を含む伊豆諸島の固有種だそうです。7月~9月に大きく白いきれいな花を咲かせるため、このユリの花に負けないよう、大きく育ってほしいという願いが込められているそうです。
サクユリは、2021年6月23日生まれ、2歳半のちびっ子です!20年ぶりのちびっ子レッサーパンダの受入れに飼育スタッフはワクワクと不安でいっぱいでした。なぜなら、この7~8年ほどは、老齢になったブナとユウユウの「介護飼育」の状態で、心臓に疾患のあったユウユウの苦しそうな呼吸時に酸素吸入をしたり、おぼつかない足取りで視力も落ちていたブナをゆっくり寝小屋に誘導する・・・という毎日でしたので。
ベテラン飼育勢も若く活発に動き回るレッサーパンダの飼育は遠い記憶のかなたで…これまでは展示場の樹木の剪定もほとんど行っていなかったのですが、大きく成長したヤマモモの枝から脱走しないかと心配になり、かなり強く剪定も行いました。
実は、「サクユリ」は当園で飼育していた「ブナ」と「ユウユウ」のひ孫にあたります。そして、これまで当園ではオスとメスのペア飼育をしていましたが、今後は「サクユリ」1頭を大切に飼育していこうと考えています。
レッサーパンダは、野生では単独で生活しており、繁殖期の僅かな時期のみ雌雄が一緒に行動します。従ってほとんどの動物園は、飼育頭数分の展示場を持っており、繁殖期の2~3か月だけ同居展示をしています。
当園の場合、展示場が1つしかないため、ブナとユウユウが元気だった頃も一日の時間を分けて(例:午前展示/ユウユウ 午後展示/ブナ)入れ替え展示をしていました。当時は、繁殖もさせ国内の保全プログラムに貢献していく方針でした。ブナとユウユウも過去3回の繁殖に成功しています。一方で1つの展示場を分け合って使っていたため、2頭それぞれの日光浴や運動・遊びの時間が十分に確保できていたわけではなく、動物福祉の観点からは理想的な飼育環境とはいえませんでした。
また、国内のレッサーパンダの飼育数は260頭を超え飼育可能頭数の上限に迫っているため、ペア飼育し繁殖をさせても生まれた仔どもの引き取り先はなく、自園で飼育し続けなければならないというのが現状です。
このようなことから、今後当園にレッサーパンダは「サクユリ」1頭を大切に丁寧に飼育展示し、レッサーパンダの魅力を存分に伝えていきたいと思っています。そして、長生きをしたブナ(23歳で当時国内最高齢)やユウユウ(20歳で当時メスの国内最高齢)のように、この先20年以上みなさんに愛されるレッサーパンダになるよう飼育と普及啓発に努めてまいります。
ぜひ、みなさん海を渡って江戸川区にお引越しをしてきた「サクユリ」に会いに来てくださいね♪
2024年02月22日
準備中…
猛禽の展示場にあるこの“看板”
長いこと、お待たせして申し訳ありません。
現在、『アナホリフクロウ』の展示に向け、着々と準備を進めていますので、もう少しだけお待ちください。
今回は、展示の前に『アナホリフクロウ』って、どんなフクロウか皆さんにご紹介します。
長~い脚が特徴の『アナホリフクロウ』。主にアメリカ合衆国、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルなど、南北アメリカに広く生息しています。
ご覧のように、体の大きさに比べて脚の長さは猛禽類の中でも一番です。
フクロウというと、一般的に木の上から飛びかかって獲物を捕まえますが、その長~い脚で歩き回りながら、獲物を探します。そして見つけると走って捕らえるのです。主に昆虫や小型の爬虫類、哺乳類などを食べています。
2つ目の大きな特徴は、『アナホリフクロウ』という名前の通り、足を使って巣穴を作ります。でも、自分で巣穴を作るよりも、プレーリードッグなど他の動物が作って使われていない巣穴を再利用することが多いようです。
「何だ、自分で巣穴を作らないのか!」(笑)という声が聞こえてきそうですね。
現在、オスとメスのペアが展示に向け、バックヤードで待機中です。
繁殖に成功するといいですね!!
展示に向けて着々と準備中ですので、皆さん、もうしばらくお待ちください!
J
2024年02月07日