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2022年12月の自然動物園ぶろぐ
笑い声の正体は・・・
最近、園内に聞きなれない笑い声が響き渡っています。
「ケケケケ・・・」
「アアアア@×△◆※・・・」
文字にするには難しいですが、なんとも明るい声です。
何が鳴いているんだろう、と思った方もいらっしゃるかもしれません。
その正体は、
「ワライカワセミ」です。
なんとも縁起のいい名前ですね。
最近バードハウスに仲間入りしました。
お顔はこちら↓
ぱっちりした目がかわいいですね。
この子の名前はカストル。
2019年生まれの3歳の男の子です。
福岡県の到津の森公園からはるばる飛行機でやってきました。
カワセミと名前がついているので、日本で見られるカワセミとの大きさの違いに
びっくりする方もおられます。
それもそのはず、ワライカワセミはカワセミ科の中では最大の種類となります。
カストルはとても好奇心旺盛で、食いしん坊な性格をしています。
バードハウスに移動したばかりの頃は少し怖がっていましたが、
数日するとこの環境にも慣れ、よく鳴き、よく食べ、よく羽ばたいています。
人の笑い声のような鳴き声は、威嚇であったり、縄張りを主張するためだと言われています。本人(本鳥?)は別に笑いたいわけではありませんが、聞いている方はなんだか楽しい気分になります♪
自然動物園は明日から1月2日まで休園になります。
来年動物園にお越しの際は、ぜひカストルの鳴き声もお楽しみください。
(I)
2022年12月29日
タキvs麻袋
ワラビー展示場の左側、オスのタキくんがいる方の木にぶら下がっているサンドバッグ(麻袋)をご存知でしょうか?
麻袋の中に乾草を入れただけのものですが、タキくんのストレス発散に欠かせないものとなっています(多分)。
以前のものはタキくんによってボロボロにされてしまい、新しいものに作り替えていたので久々の登場です。
ワラビーなどカンガルーの仲間はメスの取り合いや縄張り争いでオス同士が掴み合ったり、蹴り合ったりします。
タキくんも隣の展示場のメスに興奮してテンションが急上昇する時があります。
ただ、展示場では1頭でいるため相手がおらず、代わりに麻袋に掴みかかってストレスを
発散しているというわけです。
がっちりホールドからの・・・
尻尾で体を支えながらのキック!
さらに空中でのジャンプキック!!
このような激しい闘いをたまにご覧いただけることがあるので、ぜひワラビーの展示場に寄ってみてください。
ちなみに、何か月後かにはこのようになります・・・。
キックの威力ってスゴイですねー。
(B)
2022年12月27日
朝日のあたる位置
気温が低い日の朝、ブラウンケナガクモザル展示場でよく見られるのが、
日光浴をする姿。
よく見られる時間帯は開園してすぐくらい。その頃になるとちょうど
朝のエサを食べ終わり、日光浴をしながらリラックスしています。
また、冬は暖房のきいた室内と展示場を行き来できるようにしているので
日中は温かい室内に入ってしまっていて観察できないことも多いのですが、
どうしても夜の間に汚れてしまった室内は掃除をしなければならないので、
朝イチのこの時間は室内清掃のため群れのすべての個体が展示場に出ており、
観察にはオススメのタイミングでもあります。
よく日光浴が見られる場所もだいたい決まっています。
↑ひとつは木のてっぺん付近。
↑もう一つは展示場向かって左側のトンネルの上です。
自然動物園のブラウンケナガクモザル展示場は西向きに造られており、
日が昇ってくる東側は高い壁になっているため、朝日があたる場所は
だいたいこの2か所に限られてくるので、そこにあたるわずかな日光を
求めて集まって来るんですね。
ただ観察に向いているのはこの時間なのですが、西向きの展示場は
朝は逆光になってしまい写真を撮るのには少し不向きなのが残念な
ポイントではあります。
そんな展示場でも良い写真が撮れるよう担当者はあれこれやってみたのですが、
結局開き直ってこんな写真を撮るようになりました。
・・・逆光の演出っていいですよね。
↑これは何年か前に撮った写真なのですが、クモザルの長い手足や尻尾が
ハッキリわかるので気に入っています。
この写真は開園してすぐくらいの、朝のまだ日が低い時でないと撮れないのですが、
冬至(2022年は12月22日)前後なら日が低く撮りやすいと思うので、時間と興味の
ある方は逆光を活かした写真に挑戦してみてはいかがでしょうか。
(M)
2022年12月19日
あの春の2022(赤ちゃん情報も!)
先日生まれたオオアリクイの赤ちゃんですが、早いもので12月18日で生後1ヶ月!
(皆さんはつい最近知ったわけですから早くて当たり前ですね笑)
順調に育っています!
今回は5月に行ったお見合いのときの様子について書かせていただいて、最後に赤ちゃんのことを少しお話ししたいと思います。
時は少しさかのぼり2017年4月。
繁殖を目指してメスのアイチが東山動物園から当園にやってきました。
しかし2頭の相性はあまりよろしくなく、アイチがとにかくアニモが近づくことを許さない、といった感じで、お見合い(展示場の同じスペースに2頭をいれること)を重ねてもなかなか2頭の仲は進展しませんでした。
お互いの姿が見えないほうがいいのかと展示場や部屋の扉に仕切り板をつけたり。
普段別々に与えているエサを、一緒に与えてみたり。
試行錯誤を続けている間に、気付けばアイチがやって来てから5年が経っていました。
そして2022年5月26日のこと。
朝展示場へ出そうとすると、アニモがアイチの部屋の匂いをしきりに嗅いでいました。
アイチの発情か?と思いましたが、いままでもそのような行動が見られた日にお見合いをさせてもうまくいっておらず、その日も正直あまり期待はせずにお見合いを行うことにしました。
その日の午後、お見合いを行うと何やらいつもと2頭の様子が違います。
いつもであればアニモが近づいてくることをかなり嫌がるアイチがこの日はそこまで嫌がりません。
そして途中であきらめてしまうことが多かったアニモもかなり執着しています。
これはもしかするのかとドキドキしていると…
(前:アイチ♀ 後ろ:アニモ♂)
アニモがアイチの尻尾に前足をかけて、
ゆっくりと倒しました。そして…
そのまま2頭の交尾が始まったのです!
(動画から切り出した画像なのでガビガビ画質で申し訳ありません!)
アイチが来てから5年。
何をしてもうまくいかなかった日々が報われるような思いでした。
本当にアニモよくやってくれたね!頑張ってくれてありがとう!
その後、同居させると交尾もする、という日が1週間ほど続き、それが落ち着いたころにお見合いも終了となりました。
しかし交尾したからといって必ず妊娠しているわけではありません。
さらにオオアリクイは先日のぶろぐでもお伝えしたように外見で妊娠を判断するのが非常に難しい動物。
ここから担当Rの苦悩の日々が始まるのですがそれはまた別のおはなし…
さて、最後に赤ちゃんの様子をご覧いただいて終わりにしたいと思います。
【11月20日】
すでに前足には鋭い爪が。
【11月22日】
お母さんの尻尾にしっかり捕まっていますが、まだ体にあまり毛は生えていません。
【11月26日】
背中や腰の毛がちょっとだけ生えてきました。
【11月29日】
あっかんべえ~
引き続き赤ちゃんの近況はお伝えしていきますのでどうぞお楽しみに!
~おまけ 赤ちゃんの体重測定~
本来オオアリクイは間接飼育といって同じスペースに入らずに扉越しに飼育をする動物ですが、アイチは以前からエサの時に体を触りチェックする練習をしていたので、エサを食べさせている間に赤ちゃんの体重をはかることができました。
アイチがエサに集中してくれている隙に…
背中からそっと赤ちゃんを取り上げます。
獣医にバトンタッチ。
体重を測定し、背中に戻します。
いじめているように見えるかもしれませんが、いたって真剣に体のチェックをしている担当R。
(私の腕の白さが異常ですね…笑)
はい、どうもありがとうね。
アイチの協力なくしてこれはできないことです。
アイチもいつもありがとう!
(赤ちゃん撮影のために最近カメラを購入したR)
2022年12月17日
展示再開しました!!
展示場修繕工事のため、展示を休止していたジェフロイクモザルですが、
工事が終了し展示を再開しました。
今回の修繕工事は、クモザル脱走防止対策のために
展示場の柵の前に電気柵の取り付けをおこなっていました。
ちょっとわかりづらいですが・・・
工事前 ➜ 工事後
柵沿いに電気柵が取りつけられています。
園内に出てしまってからでは大変なので、強化対策として取り付けました。
動物たちは少しの変化も敏感なためサルたちが警戒するのではと
ドキドキしながら展示場へ出しましたが、気にすることなく一安心。
いつも通り餌を食べた後は日向ぼっこをしてすごしていました。
電気柵という名前の通り、青い線には電気が通っています。
簡単に届かないようになっていますが、
触るととても危険ですので触らないで下さい!!
展示再開しましたが、最近気温が下がって寒くなってきたため、
舎内に入ってしまい展示場にいない場合があります。
その場合は少し時間をおいてからのぞいてみてください。
(O)
2022年12月09日
GNN(特大情報!)
皆さん、こんにちは。
いつどこで始まるかわからない架空のニュース番組、
オオアリクイ ニュース ネットワーク
Giant ant eater News Network
GNNのお時間です。
この番組では日本全国のオオアリクイのニュースをお届けします。
今回で3回目となりますが本日お伝えするのは、このビッグニュースから!
【江戸川区自然動物園でオオアリクイの赤ちゃん誕生!!!】
先日の11月18日(金)未明に!
なんと!
なんと!!!
自然動物園でオオアリクイの赤ちゃんが生まれました!!!
(上3枚は当日の写真)
~子どもについて~
体重:およそ1400グラム(生後3日時点)
頭から尾の先までの長さ:およそ50センチ
性別:オス
※追記: 性別はメスでした。申し訳ありません。
自然動物園でオオアリクイが生まれるのは初めてのことです。
メスのアイチがやって来てから5年半。
ようやくこの日が来ました…
たくさん応援していただいた皆さん、本当にありがとうございました!
しかし突然の発表で驚かせてしまい申し訳ありません。
遡ること半年前…実は今年の5月末に行ったお見合いがうまくいき、交尾まで至っていたのです(!)。
本当はこの時点で『初めてお見合いが成功した!』とご報告したかったのですが、交尾が成功しても妊娠しているかどうかはわかりません。
さらにオオアリクイは出産直前まで変化がほとんどなく、見極めが非常に難しい動物。
確定していないままお知らせをするのもどうかということで、ぶろぐ等での投稿は控えることとなりました。
なので、出産への準備は進めつつもこの半年間は「妊娠しているのか?いないのか?」とずっと悶々とした日々を過ごしていました…笑
現在の赤ちゃんですが、育児放棄や赤ちゃんの衰弱などもなかったため、人工哺育をせずにアイチにお世話を任せている状況です。
外には出ずに、温かい室内で親子で過ごしてもらっています。
アイチは初産なのですが、こちらの心配をよそにとても上手にお世話をしており、本当によくやってくれています。
江戸川にやってきたときには『暴れん坊』だという触れ込みだったあのアイチが…立派になって…泣
お見合いのときや産まれたときの詳細についてはまた後日ぶろぐに書かせていただこうと思っていますのでもうしばらくお待ちいただければと思います。
そして気になる今後についてですが、基本は室内で過ごしてもらい、もし天気が良く気温が高い日があればちょっとだけ展示場に出して外の環境に徐々に慣らしていこうと考えています。
ですが、もともとオオアリクイは寒さが苦手な動物です(中南米に生息)。
ましてや赤ちゃんがいることを考えると、これからさらに寒くなる状況で外に出すことは簡単ではありません。
ですので、申し訳ないのですが まだ見ることはできない
と思っていただければ…
運が良ければ外の空気を吸いに出てきた親子に出会えるかもしれませんが、その日の天気、気温、親子の体調、など様々な要素を踏まえての判断となります。
気温が高くなる春までは、どうかそっと見守っていただけたらと思います。
そのかわり、ぶろぐやインスタグラムでどしどし投稿していきますので、皆さんぜひ注目していてください!
そして親子に会えなくてもアニモはいますので、ぜひアニモに「よくやったね」と声をかけてあげてくださいね。
エヘン!(咳払い)
さて、続いてのニュースです。(落ち着いた声)
【日本平動物園でオオアリクイの赤ちゃん誕生!!!】
なんと静岡にある日本平動物園でもオオアリクイの赤ちゃんが産まれました!
誕生日は11月15日。当園の個体とわずか3日違いです。
ちなみにお父さんはフジオ(12歳)、お母さんはヒナ(11歳)で、フジオはアイチのお兄さん、ヒナはアニモの妹という、当園とも深い繋がりのある2頭です。
これで日本国内のオオアリクイの数は6園で17頭になりました。
同級生どうし、元気に育ってほしいですね!!
さて、ここまでお送りしてきたGNNですがそろそろお別れの時間が近づいてまいりました。
日本全国のアリクイたちの健康と繁栄を祈りながらお別れしましょう。
お相手はRでした。
それでは皆さんごきげんよう。
(半年も内緒にしていて罪悪感がすごいR)
2022年12月05日