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2022年04月の自然動物園ぶろぐ
展示場の同居人
ワラビーの展示場にはクサガメが2頭暮らしています。
メスのカメ代とカメ子です。
だいぶ前から展示場で暮らしていて、展示場にある2か所の池を自由に行ったり来たり
しています。
冬の間は隅っこの落ち葉に埋もれて冬眠していましたが、春になり暖かくなってきたので冬眠から覚めて活動を開始しました。
カメ代はカメ子に比べて体が大きく、池の中に入る時に場所を選ばずどこからでも入る大胆な性格をしています。
一方カメ子は池に入る時に高さがあると入れず、低い位置まで移動してから入る
慎重(臆病)な性格です。
天気の良い日は池の周りで日向ぼっこをしている姿を見ることができます。
左がカメ代、右がカメ子
ワラビーを見る時には、ぜひカメ代とカメ子も探してみてください。
(B)
2022年04月30日
きれいに食べてね。
暖かくなって展示場にいる時間が増えてきたジェフロイクモザルですが、
開園してしばらくすると一旦、誰もいなくなってしまう時間があります。
その理由は、餌を食べているからなんです。
ということで、餌を食べている様子を少しご紹介したいと思います。
ジェフロイクモザルは、朝と閉園後の一日2回餌を与えています。
朝は展示場でキャベツ・小松菜などの葉物を与えてから
サルたちを展示場に出しています。
展示場に出てすぐの様子
他にも人参・バナナ・オレンジなどの野菜や果物もあげているのですが、
展示場で与えてしまうと、鳩などの野鳥に食べられてしまうため、
部屋の掃除が終わってから葉物以外のものは舎内であげています。
そのため一時的に舎内に入ってしまい、展示場に誰もいない時間が
あります。
舎内での食べている様子は
棚の上に置いておくと好きなものから選んで食べています。
食べてる様子を観察していると舎内に食べ残しが・・・
人参の真ん中の美味しいとこだけ食べて皮の部分はポイされてました(>_<)
少しよってみると
時々、皮だけ残っていることがあるのですが、
こんなに歯型までくっきりは珍しいです。
ちょっと怪しげ・・・。
しばらく観察しているとなくなっているので、他の個体が食べているようですが
選り好みせず、全部食べてほしいものです・・・。
午前中、いないことがあったら餌の時間かもと思って
時間をおいて覗いてみてください。
(餌の時間でない場合もありますが…。)
食後はお腹がいっぱいでまったり
(O)
2022年04月26日
僕は何者?
先日4月19日は419(しいく)の語呂合わせで飼育の日でした!
当日は自然動物園を管轄するえどがわ環境財団のインスタグラムで『飼育係、こんな仕事もしてます』という投稿をしましたが皆さんご覧いただけたでしょうか?
ペンギンの個体識別のためのフリッパーバンドの付け替えの様子やクモザル展示場の樹木の交換など、エサやり以外の飼育係の仕事について知ることができたのではないでしょうか。
しかし!!
まだまだこれらは序の口!
というわけで今回のぶろぐでは『まだまだこんなこともやってるぞ!』飼育係の意外な仕事について書いていこうと思います。
①植木屋さん
飼育係は動物の世話だけしていればいい…果たしてそうでしょうか?
動物がいる展示場にはその個体だけではなくて地面があり池があり、そして木があります。
来園者の方々が見やすくて快適な空間をつくるために、それらのメンテナンスをすることも飼育係の大事な仕事です。
②プロデューサー
動物園に来ていただいた皆さんに楽しんでもらうためのイベント。
それらをいつ、どうやって開催するか考えるのも飼育係の仕事です。
どのような内容にしたら楽しんでもらえるか?
そして楽しんでもらうだけではなくて、しっかりと学んでもらうためにはどうすればいいか?
毎回毎回議論を重ねてより良いイベントにするべく頑張っています。
③ブロガー
前回のぶろぐでも少し触れられていましたが、いま皆さんが見ているこのぶろぐを投稿することも飼育係の大切な仕事の1つ。
特にこのご時世、なかなか園へ直接足を運ぶことが難しいときに動物たちの様子を知ることができるぶろぐは大切な情報発信の場です。
私もカリスマブロガーになった気持ちで一生懸命書いていますよ!
(ブロガーという言葉はもはや死語でしょうか…笑)
さて、いろいろご紹介してきましたがこれらは飼育係の毎日の仕事のほんの一部。
全ては動物たちと来園される皆さんのため!!
私たちの思いが皆さんに少しでも伝わっていたら嬉しいです。
(自分の後ろ姿がなんだか恥ずかしいR)
2022年04月25日
見よ!休園日の大変身
本日4月19日は4(し)19(いく)の日ということで…「飼育の日」!
皆さんは「飼育員の仕事」というと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか。
多くの方がまず餌作りや獣舎の掃除といったことを思い浮かべるかと思いますが、
我々飼育員はそういった動物たちのお世話をするのはもちろんのこと、
解説物の作成や展示設備の改修などなど、多岐にわたる仕事を行っています
(このぶろぐを書いたりするのもそのうちの一つなわけですが)。
そのような様々な仕事の中でも、大掛かりな改修工事などは安全のため
お客さんがいる日にはできないので、主に休園日にやることになります。
休園日はお客さんがいないからといって、動物も職員ものんびりとお休み…
というわけにはいかないのです。
さて、前置きが長くなりましたが今回は、そんな休園日に行われた
ブラウンケナガクモザル展示場の木を入れ替える工事の様子を
ご紹介したいと思います。
まずはこちらの写真をご覧いただきましょう。
これは2019年12月に撮影された展示場の写真です。
それが約2年半でどうなったかというと…
クモザルによって樹皮は剥がされ、枝は折られ、昨年末には向かって
右側の木が腐食のため根元から折れてしまいました。
そこでこの度、すべての木を入れ替える大工事が行われることとなったわけです。
それでは、工事の流れを見ていきましょう。
まずはワイヤーなどを外し、古い木を撤去していきます。
古いワイヤーを撤去。これだけでかなりスッキリした感じがします。
そして古い木をチェーンソーで細かく分割し、撤去していきます。
チェーンソーの音が怖いのか、隅っこに寄りクモザル展示場を見つめる
ヤギの「しお」。ごめんね、しばしの辛抱を!
撤去完了。そしてこの後いよいよ新しい木が運ばれてきます。
上空より運ばれてくる新しい木。このようなことは休園日にしかできません。
クモザルが乗っても倒れないよう、しっかりと埋め、固定します。
運ばれてきた木の向きやワイヤーを通す穴の位置などを話し合い、
決めていきます。
ワイヤーを張り、クモザルたちが退屈しないよう遊び道具としてザイルや
消防ホースも取り付けていきます。
完成まであと一息!頑張らなくっちゃ頑張らなくっちゃ!
ようやく完成!
さあ、クモザルたちを展示場に出してみましょう。
どんな反応をするのでしょうか?
<動画>
最初はやはり新しい木が怖いのか、だれ一人として木に登ろうとはしません。
よく見るとお互い抱きあう行動が見られますが、この行動には緊張を緩和する
意味があることから、やはり緊張状態であることがわかります。
しかし 1分も経たないうちに木に登る個体が出てきました。
クモザルなりに木の強度やワイヤーの張り具合をチェックしているようです。
彼らのお眼鏡にかなう展示場になっているとよいのですが。
今では全く警戒することなく、以前と同じように木を利用してくれるように
なりました。
今回の木は本数も増えたうえクモザルが利用しやすそうな枝もたくさん
あるので、野生では樹の上で生活するクモザルならではの行動がよく観察
できるのではないかと思います。
今回は普段は見られない休園日ならではの作業をご紹介してみました。
ご来園の際はぜひブラウンケナガクモザル展示場をのぞいてみてください!
(M)
2022年04月19日
自然動物園引っ越しセンター
春と言えば引っ越しの季節。
環境がガラッと変わり、「心機一転、この場所からまた頑張っていこう!」と奮起した経験、皆さんにも、きっとあるのでは?
私はいままで4回引っ越しをしたことがあるのですが、動物園で引っ越しといえば動物の移動。
動物園ではいったいどのくらい引っ越しがあるのか、皆さん気になりませんか?
というわけで今回は昨年度(2021年4月から2022年3月まで)の動物たちのお引っ越しをまとめてみました!
【搬入】
7月26日 シロビタイムジオウム1羽 山口県徳山動物園から
10月29日 フンボルトペンギン4羽 旧油壷マリンパークから
11月29日 プレーリードッグ6頭 上野動物園から
【搬出】
8月21日 リスザル2頭 愛知県岡崎公園動物園へ
11月1日 ニホンリス2頭 京都市動物園へ
11月16日 ワタボウシタマリン1頭 上野動物園へ
※写真は該当個体ではないものがあります。
昨年度は搬入・搬出どちらも3件ずつでした!
皆さんが思ったより少なかったでしょうか?それとも多かったでしょうか?
私はもうちょっと多かった気がしたのでぶろぐにしてみようと思ったのですが、まとめてみると3件だったのですね…笑
さあ今年度は始まったばかり。
この1年も新しい動物・新しい個体との出会いに期待しながら、まずはこの春を楽しんでいきましょう!
(今年度も引き続きオオアリクイ担当のR)
2022年04月11日