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2020年10月の自然動物園ぶろぐ
似て非なる
先日、動物園にとある魚がやってきました。
その魚がこちら
こちらのお魚、名前を「ニゴイ」と言います。
漢字で書くと「似鯉」
コイに似ている魚だからニゴイ。
いや、流石にネーミング雑すぎません?
確かに、画像では分かり辛いですがヒゲもあるし、大きさもコイくらいになるので、似てるといえば似ていますが・・・。
コイと比べるとシャープな顔つきでイケメンです。
ヒゲについてはコイが2対でニゴイは1対、適度に整えられた清潔感のあるヒゲです。
髭男dismです。
僕とは大違いです!
これはもう、コイの上位互換と言っても過言ではありません。
コイを「ニゴイモドキ」とでも改名して・・・
えー、失礼いたしました。
つい熱くなって、話が脱線してしまいました。
ニゴイたちは現在は展示していない魚ですので、しばらくしたらどこかの水槽に展示します。
はやく見たい!という全国のニゴイファンの皆さま、もう少しお待ちください。
というのも、自然動物園にやってきた魚たちはいきなり水槽に展示されることはほぼありません。
やってきた当日、まずは薬浴(やくよく)をします。
これは薬浴中の写真です。水が黄色いですね。
この黄色い水には、いくつかの薬が入っています。
薬の入った水でしばらく過ごして、体についている菌や寄生虫を退治します。
薬浴が終了したらバックヤードの水槽で、餌を食べるようになるまで飼育します。
人から貰った餌を食べられないと、すぐに弱ってしまうかもしれません。
無事に餌を食べるようになったら展示を開始する予定です。
なので、もう少しお待ちくださいね。
(D)
2020年10月29日
ちゃんと自炊してるのえらいね!
先日オオアリクイ展示場にお目見えしたアリ塚(ニセモノ)。
野生のオオアリクイがエサにしているアリの巣を模したものですが、日本で見られるアリは多くが土の中に巣を作ります。
しかしアリの巣があんな形をしているなんて、信じがたい方もいるかもしれません。
そこで今回はアリクイがエサにしているアリについてのお話です。
日本にはなんと280種ものアリがいるといわれていますが、彼らはハチ目に属するハチの仲間。
対してアリクイが食べているのは『シロアリ』という虫です。
アリという名前がついていますが実はアリではなくて黒光りするあの虫の仲間です。(ぞわわ)
エサとなるのは植物など。だから家の木を食べてしまうわけですね。
そしてシロアリの中には、地中ではなく地上に土のタワーのような巣を作るものがいます。
彼らが今回の主役なわけですが、なぜそんなことをする必要があるのか。
それはシロアリたちが暮らしている環境にヒントがあります。
彼らが暮らすのは南米の乾燥地帯。
昼には40℃、夜には一桁の気温という日も珍しくなく、小さなシロアリたちが生きていくには過酷な環境です。
そこで活躍するのがあの巨大なアリ塚。
なんと優れた空調機能を持っており、まるで人間の肺の様に外気の気温によって空気が出たり入ったりするのだそうです。
その結果、巣の中の温度・湿度はほぼ一定に保たれ、過酷な環境でも快適に生活できるというわけです。
さらに驚くべきことに彼らの中には巣の中でキノコを育てエサにする、いわば農業をするものもいるそうですよ。
ちなみにアリクイは1つの巣から少ししかシロアリを食べません。
そうすることで、エサであるシロアリが全滅して食べられなくなってしまうのを防いでいると考えられています。
あの小さな頭でそんなことを思いつくなんて…(失礼)
いままでシロアリといえば害虫のイメージだった方がほとんどだと思いますが、計算しつくされた巣作りやエサを自ら育てる自給自足ぶりなど、その暮らしぶりはなかなか面白いところがありましたね!
もしかすると私より全然すごいかもしれない…
(自炊をちゃんとやろうと思ったR)
2020年10月26日
愛称決定しました!(ワタボウシタマリン)
2020年4月17日に生まれて人工哺育になってしまった
ワタボウシタマリンの仔(メス)ですが、すくすく育ち生後半年を迎えました!
↑真ん中が4月17日生まれの仔、上にいるのが母獣の「コニ」です
体重は産まれたときの43gから328gにまで大きくなっています。
ワタボウシタマリンは成獣になっても500gほどの小さなサルですので、まだまだ成長します。
見た目はまだ成獣より小さく簡単に見分けることができます。
母獣との同居もケージ越しのお見合いを経て無事完了しました。
そして、愛称が決定しました!!
「アン」です!よろしくお願いします!!
とっても活発な性格で、カメラに寄って来るときもあります↓
まるで自撮り写真ですが、近すぎますね(笑)
ワタボウシタマリン舎を覗いていると近くに来ることもありますので
ぜひゆっくり観察してくださいね(^^)
(H)
2020年10月21日
シロフクロウが亡くなりました
暑さに弱いため、6月よりバックヤードですごしていたシロフクロウですが、
8月に卵管内異物による腸管圧迫及び内臓痛風により死亡しました。
バックヤードでのシロフクロウ
バックヤードへ下げても餌のマウスをよく食べ、元気に過ごしていましたが、
7月初旬から餌をあまり食べなくなっていたため、観察を続けていました。
7月下旬頃からは少しですが餌を食べるようになってゆき、亡くなる前日も
餌を食べていて少しずつ元気になってきていると思っていたので、
突然のことで驚き、とても残念でもあります。
シロフクロウに会いに来てくださっていた皆様、今までありがとうございました。
(O)
2020年10月10日
金と銀
この時期、自然動物園の中を歩いていると、なんだかいい香りに包まれる
ことがあります。
その香りの正体は「キンモクセイ(金木犀)」という花。
自然動物園の周囲を囲う生垣には、このキンモクセイが使われています。
↑キンモクセイ
ところで自然動物園では、多くのキンモクセイにまじって生垣に1本だけ
別の木が生えているのをご存知でしょうか?
その木の名前は「ギンモクセイ(銀木犀)」。
キンモクセイは聞いたことがあっても、ギンモクセイなんてあったの!?
という方も多いのではないでしょうか。
↑こちらがそのギンモクセイ。花の色が白いですね。香りもやや控えめ
の様です。
少し調べてみたところ、キンモクセイはギンモクセイの変種とのこと。
つまり実は先にギンモクセイがあって、そこからキンモクセイがうまれた
という事(正確には後からうまれたキンモクセイとの区別のため、ただ
モクセイと呼ばれていたものがギンモクセイと呼ばれるようになった)
のようです。ちょっと意外ですね。
さて、そんなギンモクセイがなぜ一本だけ生垣に混ざっているのか…
についてはよくわからないのですが、「金」と「銀」が並んでいるのを
見れば、ちょっとリッチな気分になれる(?)かもしれません。
左がギンモクセイ、右がキンモクセイ。
リッチな気分になれるかはさておき、毎年この時期にしか見られない
華やかなコラボレーションなのは確かなので、私は結構楽しみにして
いたりします。
ちなみにギンモクセイはシロビタイムジオウム展示場裏の生垣にあり、
「ぎょうせんこうえんのいきものたち」の掲示板からみると右へ3本目の木です。
キンモクセイもギンモクセイも開花時期は9月後半~10月とのことなので、
リッチな気分になりたい方はお早めに!
動物園の外側なので閉園後や休園日でも見れますよ!
(金、銀ときたらクリスタル・M)
2020年10月07日
Go Toキャンペーン?
世間では10月1日からGo Toトラベルのキャンペーンに東京も追加され、都民の方もお得にお出かけを楽しむことができるようになりました。
まだまだ気を付けなければならない状況は続いていますが、やるべき対策をきちんとやりつつ、少し息抜きもしていきたいところですね!
そんなGo Toトラベルですが、旅をするのはヒトだけではありません。
鳥の中には季節によって暮らす場所を変えていく、いわゆる『渡り』をするものがいます。
今回はその中でも驚くべき渡りをするものをご紹介していきたいと思います!
とその前に、皆さんが良く知っている渡り鳥のツバメはというと…
・春に日本に来て、秋にマレーシア、タイなどの東南アジアへ旅立つ
・飛行距離:3千から5千キロ かかる日数:数十日から100日
これを踏まえて、驚愕の渡り鳥たちを見てみましょう。
まずは、『インドガン』。
インド古来より伝わる伝説の銃、インドガン…ではありません。笑
インドガンはカモの仲間で、70センチほどの大きめの鳥です。
普段はアフガニスタンやウズベキスタンなど西アジアに生息し、冬になるとインドへと渡ります。
飛行距離は3千から5千キロと言われておりツバメとほとんど変わらないのですが、驚くべきは距離ではなく飛んでいる高さ!
なんとエベレストなどの山々がそびえたつヒマラヤ山脈を越えるため7千メートルもの高さを飛ぶのです。
その高さでは酸素濃度は地上のわずか10%ほどだそうです。
もしヒトが登山するとなればフル装備、命懸けで登っていくところをその身一つで飛んでいく…とんでもないことですよね!
続いては『オオソリハシシギ』。
彼らは干潟でよく見られるシギの仲間で、40センチほどの鳥です。
普段はアラスカなどで暮らし、冬になると東南アジアやオーストラリアへ旅立ちます。
この鳥のすごいところはアラスカからオーストラリアまでのおよそ1万キロ以上の道のりを飲まず食わず、一切休むことなく飛び続けること!
その期間なんと6日間から9日間といわれています!
ツバメと比べるとそのすごさがお分かりいただけるのではないでしょうか。
『飛び続ける』ということにおいて、この鳥の右に出るものはいません。
最後は『キョクアジサシ』という鳥です。
キョクアジサシは30cmくらいのハトくらいの大きさで、カモメの仲間の鳥です。
なぜこの鳥が今回のトリなのか?(鳥だけに)
それはキョクアジサシが鳥類最長距離の渡りを行う鳥だからです。
その距離、なんと北極から南極、地球の上から下までおよそ4万キロ!
(※蛇行しながら飛行するので直線距離よりもはるかに長い距離を飛んでいるといわれています)
しかもこれを毎年やっているなんて…もう驚きを通り越して怖いレベルですね。
ちなみにキョクアジサシの『キョク』とは『極』つまり北極南極の極地のことです。
なぜここまでして極地にこだわるのか。
詳しいことは分かっていないそうですが、一説によるとキョクアジサシが極地で過ごす時期はどちらも夏の時期で、白夜と言って太陽が沈みません。(北極が冬のときは南極が夏になるため)
そのためエサが豊富で、一日中明るくて狩りがしやすいこの場所を選んだのではないかと言われています。
さて、ここまでヒトのトラベルとは比べ物にならない大旅行をする鳥たちをご紹介しましたが例によって大人の事情で写真がありません!泣
興味を持った方はぜひトラベルの移動中にでも、ご自身で詳しく調べてみてください。
もっと面白い発見があるかもしれませんよ!
(旅行するなら国内派のR)
2020年10月02日