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2019年02月の自然動物園ぶろぐ
晴れる大空 湿った大地
ある、雨が降った日の翌日。
前日とはうってかわって天気は快晴!
しかし、展示場の土は湿り、まだまだ雨の様相を残していました。
今回はそんな時によくみられる、ある動物の行動をご紹介します!
その行動のヒントがこれ。
写真だとちょっと分かり辛いかも知れませんが…
地面に複数の凹みがあるのが分かるでしょうか?
実はこれ、プレーリードッグが雨で緩んだ地面を固める時についた、
「鼻の跡」なんです!
プレーリードッグは地下に穴を掘って暮らしており、雨が降った後には
巣穴が崩れないように土を固めて補修する作業が必須なのです。
では彼らがどうやって地面を固めているのか、見てみましょう!
<動画>
前足を使って土を均した後、鼻頭を地面にたたきつけて固めているのが分かります。
先ほどの凹みは、こうやって連続で鼻をたたきつけたときにできたものなんですね。
そのため雨が上がった日にはこのように鼻に泥がついたプレーリードッグの姿が
よく見られます。ちなみに今回の動画では前足を使って地面を均すだけでしたが、
それ以外にも後足で土を移動させたり、巣穴を掘ったりといった行動もすることが
あります。しばらく観察を続けていれば、そういった補修行動も見られるかも
しれません。
今回は雨上がりの動物の行動について書きましたが、天候や時間によっても動物の
行動は大きく変わります。ぜひ二度、三度とご来園いただき、その日によっての
違いを探してみてください!きっと新しい発見があると思いますよ。
(M)
2019年02月26日
ホウシャガメは動かない
しばらく寒い日が続いていましたが、皆様はどのように過ごされていましたか?
こんな寒い日はこたつに入って動きたくなくなってしまうものですが、
動物の中には全く動かなくなってしまうものもいます。
その中の1頭が、このホウシャガメ。
個体番号はNo.134です。
ホウシャガメをはじめとするカメ類はいわゆる「変温動物(外の温度によって
体温が変化する動物)」のため、寒くなると活動が鈍くなり、当園でも展示
しているクサガメやイシガメは、水の中に潜り冬眠をします。
この写真はメスの部屋です。ホウシャガメも寒くなると活動が鈍くなりますが
ホウシャガメ舎内にはこのような赤外線ヒーターや温熱マットがあり、寒い
ときはこのメスのように体を温めることができるので、冬眠をしなくても冬を
乗り越えることができます。
しかしNo.134はというと…
ある日のNo.134。
その次の日のNo.134。
さらに次の日のNo.134。
…全く動きません。
彼はあえて体を温めるのではなく、季節に合わせて休眠することにした
ようです。
念のため言っておきますが、同じ日に撮影したわけではありませんよ!
こんなにも動かないと死んでるんじゃないか?と疑ってしまうことも
あるのですが、大丈夫。たまに起きてエサを食べに来ます。
どれくらい「たまに」なのかというと…
飼育日誌を見返してみたところ、なんと約3週間に1日くらいの割合で
起きてくることが分かりました。
つまり、彼は約20日間にわたり飲まず食わずで寝ているわけです。
もし、No.134が起きている日に巡り合えたなら、それは3週間に1回の
超貴重な日かもしれません。是非目に焼き付けてください!
ちなみに寝ているところは左側の展示場のお客さん側。
(この写真はバックヤード側から撮影)
手前過ぎて気づかずに「いないね~」と素通りされるお客さんもしばしば。
担当者としてはもっと動いてお客さんにアピールしてほしいのですが…
これはこれでホウシャガメ本来の生態を展示しているという事にして
おいてください。
今後暖かくなってくればもっと動いてくれると思うので、もうしばらく
お待ちください!
(M)
2019年02月18日
事務所を通してもらえます?
バードハウスで仲良く暮らしているオウギバトの夫婦。
福岡生まれのオス(写真右)と埼玉生まれのメス(写真左)が東京の江戸川区で出会い、結ばれ、いままで6羽もの子どもたちを立派に育ててきました。
(もしかしたら似ている境遇の方がいらっしゃるかもしれませんね!)
こう見えて、とっても優秀な夫婦なのです。
その6羽の子どもたちもみんな家を出て、これからは悠々自適に2羽で暮らしていくのかと思いきや、そんな彼らに7番目の子どもが生まれたのは皆さんご存知の通り。
(当時のぶろぐはこちら)
その子も現在はすっかり親と変わらない大きさになり(まだ0歳8か月なのに)、両親と元気に暮らしていますが、これまで大事なことが分かっていないままだったのです。
それは、この子がオスなのか、メスなのか、ということ。
実はオウギバトは見た目では性別が非常にわかりづらい鳥の1つ。
そのため性別を知るには血液を検査に出し、成分を見て判断しないといけないのです。
そこで7番目の子の採血をして検査をしていただいたのですが、先日その結果が返ってきました!
気になるその結果は…
7番目の子の性別は…
メスでした!!!
やっぱり!
私はお母さんに似てると思っていたんですよ!笑
ちなみに、この子の足には黄色い環が付いていますのでそれを目印にしていただければと思います。
じゃあせっかくだし、記念に1枚写真でも…
おやおや? 恥ずかしいのかな? 大丈夫だよ~?
大丈夫だってば~。 キレイに撮ってあげるよ~?
いや、ちょっと。
ちょ、ちょっと待って。
なんでそんな逃げるの!? 撮らせてよ!泣
悪戦苦闘の結果…
これが精一杯でした。泣
いい写真はまたの機会ということでよろしくお願いします…
な、なんだよう。
その『家〇婦は見た!』みたいな鋭い眼は…
(R)
2019年02月11日
ペンギンたちは繁殖シーズン真っただ中!その②
繁殖シーズンに入ったペンギンたちのその後の報告です!
1月26日(日) 「ちくわ」の卵の2卵目が孵化しました!「ちくわ」もお相手の「そらまめ」も神経質な性格なので、孵化して6日まではヒナの鳴き声を毎日聞くことで生存の確認をしていました。日に日にエサをねだる声も大きくなってきたので、1月31日にちょっとだけヒナを「ちくわ」のお腹の下から取り上げて、体重測定。
毎回、ヒナが育つたびに思うのですが、巣小屋の中は親ペンギンたちの糞だらけで
結構汚れているのに、ヒナはなんてきれいなんでしょう!汚れ一つありません。
そして、2月4日(10日齢)になると・・・
50g 増えた!!
フリッパーがちっちゃい♪
最近では、お客さんが少なく静かな時などは、観覧側からでもヒナのエサをねだる声が聞こえます!ぜひ、耳を澄ませてのんびりペンギンたちを観察してみてくださいね。
みなさんがご覧になれるくらい大きくなるには、まだまだ時間がかかりますので
また、「ぶろぐ」で成長のようすをお知らせしますね♪お楽しみに!
(K)
2019年02月07日
ペンギンたちは繁殖シーズン真っただ中!その①
「ペンギン、いないねぇ~」
最近、ペンギンを見ながらお客さまがつぶやいています。
すみません、、そうなんです。
ペンギンたちは、12月上旬から繁殖シーズンに入り、それぞれの巣小屋に一生懸命巣材を運び入れた後、12月14日の「ちくわ」の産卵を皮切りに順次メスたちが産卵し始めました。現在は、4ペアが抱卵しています。
巣材を運ぶはんぺん
巣小屋の中
フンボルトペンギンは、2個の卵を産みオスメス交代で約40日ほど温めると、孵化します。抱卵は、ペアにもよりますがだいたい2~3日で交代しているようです。ですから、現在4羽は常に卵を抱いていて巣からは出てきませんし、ペアのお相手も隣に寄り添っているので、8羽はほぼ巣小屋の中に入ってしまって外に出てきてくれません。
11羽いるはずのペンギンたちは、2、3羽、、、ひどいときは、シングルのつみれちゃんしか見れないときも・・・。これが、「ペンギン、いないねぇ~」になるのです。
ちょっと、寂しい展示場ですが、さすがにエサの時間(10:30~11:30くらい)には、お腹をすかせたペンギンたちが巣小屋から出てきます。ぜひ、この時間をねらってペンギンたちに会いに来てくださいね。
また、巣材運びやペアでの鳴き交わしなど、この時期ならではの行動も見ていて楽しいですので、時間があるときに行動観察してみてはいかがでしょう。
昨年の夏に、伊豆三津シーパラダイスから来た「ななちゃん」も「きんとき」と仲睦まじくしています。「はんぺん」に邪魔されてなかなか営巣できずにいましたが、最近はここに落ち着いてきました。みなさんも見守っていてくださいね。
展示場の隅で 営巣する「きんとき&なな」
(K)
2019年02月06日
侵入者ーシナモン-
突然ですが、問題です。
これは、だれのエサでしょうか?
正解は、ヒツジのアカネちゃんのエサ。
普通の乾草に見えるかもしれませんが、このエサはとても栄養豊富な特別食なの
です。 アカネちゃんは昨年秋頃に体調を崩してしまい、それ以降この特別食を
与えています。
この特別食ですが、とても栄養がありおいしい反面、栄養がありすぎて健康な
ヤギ・ヒツジが食べ続けると逆に体調を崩してしまう恐れがあるので、他の個体に
取られないようアカネちゃんは「団体コーナー」に分けてエサを与えています。
しかし、他の個体(特にヤギ)がこのおいしい餌を見逃すはずがありません。
中でも、このミミナガヤギのシナモンちゃん↓。
彼女は常に虎視眈々(トラではなくヤギですが)とアカネちゃんのエサを狙って
います。
この一般コーナーと団体コーナーを隔てるゲートの掛金(フックのようなもの)を
外そうものなら…
<動画>
このように、掛金を外した瞬間に自らゲートを開け団体コーナーに侵入し、
アカネちゃんのエサを奪ってしまうほどです。ちゃんとカギが開いていれば
ゲートが開くということ、そして掛金が開いているかどうかということを、
ちゃんと理解しているんですね。
こういった時々動物が見せる能力(と、食い意地)には驚かされるばかりです。
…だからといってアカネちゃんのエサを食べさせるわけにはいかないのですが。
そんなわけで、皆さんがふれあいコーナーに遊びに来てくださった時には、
このようにうらやましそうにアカネちゃんのエサを見つめるシナモンの姿が
見られるかもしれません。
そうそう、団体コーナーの掛金は絶対に開けないでくださいね!
(M)
2019年02月01日