公益財団法人 えどがわ環境財団

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自然動物園SHIZEN ZOO

2025年03月の自然動物園ぶろぐ

トレーニングは何のため?(後編)

おはようございます!こんにちは!こんばんは!

 

ようやく、トレーニングのお話の後編です。最終回です(^^)

オタリア、ヤギとヒツジのトレーニングについて熱く語ってきましたが、今回は…???

 

 

近頃、担当J氏と共にチームで張り切っている猛禽たちのトレーニングを紹介します!! 

 

まずはこの方。ダルマワシの「りんご」ちゃん。

 

普段は堂々たる立ち姿で皆さんの注目を浴びていますが、現在はフライトトレーニングを行っています。

 

皆さんが見ているりんごちゃんの部屋と夜間過ごしている部屋は違うのですが、どちらもダルマワシが飛ぶには広さが全然足りません。

ダルマワシは、日中のほとんどを飛んで過ごすと言われているくらい、飛ぶことが日常の鳥なんです。

 

ですが、部屋の中にいるだけでは飛んだり動いたりできるスペースがなく、運動不足により筋力が衰え、代謝が落ちると体内の色々なバランスが崩れてしまいます。

免疫力が落ちてしまったり、疲れやすくなったり…代謝が低下すると、体に良くないことが起こりやすくなります。人も一緒ですよね。

 

 

代謝を上げるには、適度な運動と食事!!

ということで、りんごちゃんのフライトトレーニングは園内で一番長い距離のとれる所「ワラビー舎の前~レッサーパンダ舎の前」あたりで行うことが多いです。

あまり広くない園路で行うため基本的には閉園後に行っていますが、園路を一旦通行止めにして、皆さんの前でトレーニングを行うこともありました。

 

体の大きなりんごちゃん。飛ぶ姿はかなり迫力があります!

 

 

 

続いてはこちら、カンムリカラカラの「コアトル」くん。

 

 このぶろぐを読んでいる方の中にも、ちょうどコアトルくん(呼び名コアくん)がトレーニングに出かけたり、帰ってきたりする様子を見たことがある方もいるのでは?

どこかに出かけて行って、10分ほどするとどこかから帰ってくる…

何が行われているのか、とても気になっているかな?と思います。

 

ついに初公開!?バックヤードでは、こんなトレーニングを行っています。

 

カンムリカラカラはハヤブサの仲間ですが、飛んで餌を捕まえるというよりは長い足を活かして地面を掘ったり、草地をかき分けたりして餌を探す習性があります。そしてとても賢いことで知られています。

ダルマワシのフライトと違って、網で仕切られたバックヤードでは、走ったり、餌の探索行動を引き出したり、頭を使って考えさせたりというトレーニングを行っています。

少し写真でご紹介しますね!

 

コアくんが一番得意なのは、石を転がす遊びです♫

  

石の下に餌を隠して、足を使って転がす遊びを覚えました!今では餌がなくても、石の近くを通るだけで「あ!石だ!とりあえず転がしとくか。」といった様子です。

 

現在、練習中なのはスラロームです。

ドッグショーなどで有名でしょうか?人の足の間を潜り抜けて進む動きです。

股くぐりは出来るようになりましたが、次の一歩を出すと、どうしたらいいのかわからずキョロキョロ。こちらの誘導の仕方もテクニックが必要です。    

ほかにも色々出来るようになりたいですし、あとはどうにかトレーニングの様子を皆さんに見てもらえるようにしたいなぁ…というのが、今後の課題ですかね。

 

 

 

このように自然動物園では動物ごとに、様々な目的をもってトレーニングを行っています。

もしかしたら、トレーニングと聞くと「調教」=「従わせる」といったイメージの方がいたかもしれません。

私たちは動物たちの意思を尊重しながら、動物たちにとって必要なことを、動物たちに協力してもらいながら行う、というのを大切にしています。

 

もちろん、嫌だとか、やりたくないという気持ちを感じることもありますが、無理強いせずに良い関係を築いていくことがとっても大事です。

 

ご紹介した動物たちは少しずつ色んなことが出来るようになってきているので、さらにたくさんの事ができるようになって、もっと生活が豊かになってくれるといいなぁと願いながら日々、動物たちと向き合っています。

 

 

普段の給餌や掃除のときだけでは見られなかったイキイキとした表情がたくさん見られる、わくわくなトレーニングの時間をたっぷり紹介できたところで、トレーニングの最終回を締めたいと思います(^^)

長い話にお付き合いいただき、ありがとうございました~!!

 

(本当はもう一種類紹介したかった、W)


2025年03月23日

春の知らせ

自然動物園内や行船公園でも「春の知らせ」がぞくぞくと届いています♪

 

まずは、つくし!

今年は2月の終わりから生えてきました。

つくし

 

暖かい日が多くなってくると二ホンミツバチたちも活動し始めました。

二ホンミツバチ

こちらはオタリアの展示場ですが、岩の間に溜まった水を飲みに来ています。

ミツバチたちは冬の間は巣の中で貯めた蜜を少しずつ消費しながら春を待っていますが、花が咲きだす今頃になると巣外での活動を活発にし始めます。

 

草花ではミチタネツケバナやオランダミミナグサなどが咲き始めています。

ミチタネツケバナ オランダミミナグサ

 

少し心配だったのが行船公園にたくさん生息しているアズマヒキガエルたちです。

毎年、2月上旬から繁殖・産卵のために冬眠から起きてきて中旬にはそのピークを迎えていたのですが、今年は2月中旬になっても姿が見当たりませんでした。

2月終わりごろにはぽつぽつと産卵していたのですが、全体的に成体(おとな)の数も

卵塊の数も少ないように感じています。

 

自然動物園では毎月、有志の職員で行船公園の生きものを調査しています。

アズマヒキガエルの産卵の様子も記録しているのですが、毎年少しずつ減少しているような印象があります。

 

アズマヒキガエルは東京都の23区ではレッドリストに記載されているほど貴重な存在です。

実は、行船公園は都内でも有数の生息スポット(ホットスポット)なんです。

 

暖かい季節には、動物園内でも歩いているアズマヒキガエルによく出会います。

アズマヒキガエル

 

生きものの生活を守るため、アズマヒキガエルの卵やオタマジャクシを網ですくったり水槽で観察した後は、元の場所にそっと戻しましょう。

 

 

今、見られるおすすめの生きものや植物について「生きもの看板」でお知らせしていますので、ぜひご覧ください!

生きもの看板は自然動物園の正門の右隣に設置されています。

生きもの看板 

 

 

(H)


2025年03月18日

ワタボウシタマリンに赤ちゃんが誕生しました!

2025年2月16日(日)にワタボウシタマリンの「コニちゃん」が出産しました!

 

今回の出産は紆余曲折があり、担当者も朝からドタバタしてしまいました( ゚Д゚)

4月から担当になったばかりで今回の出産が初めての経験だった担当者。

お腹の大きさから出産予定は2月の下旬くらいかなと思っていたのですが、

当日の朝、獣舎に行くとなんと!コニちゃんの娘の「コメル」が1頭の赤ちゃんを背中に乗せていました。一瞬パニックになった担当者・・・。

意外とコメルはしっかりと背中に乗せてくれていたので少し安心したのですが、

いつもコニちゃんは2頭から3頭産んでいたので、他にも仔(動物の子は「仔」と表記します。※以下、同様とします。)がいないか確認しました。

 

しばらく観察しているとコニちゃんが自分からコメルの背中にいた赤ちゃんを抱き寄せて自分の背中に乗せていました。

その後、2頭目が産まれていないか何度も確認した担当者。しかし赤ちゃんは確認できず、コニちゃんも動きが軽快になり食欲もあったので今回の出産は1頭ということで落ち着きました。

コニちゃんにとっては1頭のみの出産は初でした。

(ワタボウシタマリンは多くが双子での出産ですが、1頭や3つ子の場合もあります。)

 

  出産した次の日の様子

 

 

ワタボウシタマリンは家族群で生活をして群れで生まれた仔たちは母獣(動物の母親は「母獣」と表記します。※以下、同様とします。)だけでなく父獣(動物の父親は「父獣」と表記します。※以下、同様とします。)やその時にいる兄妹たちも一緒に子育てを手伝います。

 

今回はいつも子育てを陰ながらサポートしてくれていた父獣の「サント」が去年の10月に急死してしまい、一緒に同居している娘と息子は一番下の兄妹なのでヘルパーの経験がありませんでした。

コニちゃんの他に子育てを手伝える個体がいないのが不安でしたが、

今回の出産で仔が1頭だったこと、「コメル」が背中に乗せていたことなどもあって

今のところコニちゃんが子育てをしているので少しほっとしている担当者です!!

 

赤ちゃんもしっかりと背中にしがみついています。自分で背中から胸の方にきたり、

最近は目を開けていたり起きている回数、時間も多くなってきました。

 

 

 少し頭を持ち上げています。

 

 

 

今回は1頭の出産でした。         目を開けている時間が多くなりました。

 

   子育て中のコニちゃん

 

 

頑張りすぎは良くないのでたまに仔どもたちに子育てをお手伝いさせて欲しいなあ

と思っていたのですが、1週間後の2月24日に息子の「コラ」が仔を背中に乗せている

のを確認できました。また、2週間後の3月2日には娘の「コメル」も再び仔を背中に乗せていました。ヘルパーの経験をすることによって自分たちの子育てのときにその経験が役に立ちます。

コラもコメルも子育ての手伝いは今回が初めてで出来るかなぁと心配していたのですが、周囲の心配をよそに2頭とも母獣のコニちゃんを助けています。優秀な兄妹です(^_-)-☆

 

まだまだ子育ては始まったばかりなので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

子育てに奮闘中の家族と可愛い赤ちゃんにぜひ会いに来てくださいね!!

 

 

 

                                   (A)

 

 


2025年03月10日

器用に食べます‼

動物の餌の食べ方は動物種によって違い、

自然動物園にいる動物たちも持って食べたり、ついばんで食べたりと様々です。

今回リスザルはどのように食べているのかを紹介したいと思います。

 

リスザルは前肢(手)で餌をつかみ持って食べます。

 

 

そのため餌の野菜や果物は持ちやすい大きさに小さく切って与えていて、

色々な種類の餌の中から好きなものを選び、しっかりとつかみ食べています。

 

指の数は私達、人間と同じで5本あります。

前肢(手)・後肢(足)とも5本ずつあり、上手に餌や木をつかむことができます。

よく見ると爪があるのですがわかりますか?

 

手の甲は毛で覆われていますが、手のひらには毛はなく、

指先は少しぷっくとしていて指紋もあり人間と似ていますね。  

  

 

餌を食べているところを見たい‼という方は、

開園後すぐの時間が見られるチャンスが多いと思います。

実際に食べている姿をぜひ見にきてください。

 

(O)


2025年03月07日

金魚とフナって何が違うの

皆さんは人生において、一度くらいは金魚を飼育したことはありませんか?

 

ペットショップで購入したり、金魚すくいなどで取ってきたりと

きっかけはいろいろだと思いますが、日本人にとって金魚とは、とても

身近な生き物です。 

 

そんな金魚ですが、

 

『金魚ってフナに似てない?色が違うだけ?』と感じたことはありませんか?

身近な生き物『金魚』のお話です。 

まずは金魚に似ているフナについてです。

 

 

鮒(フナ)とは

 

 

コイ目コイ科フナ属に属する魚です。

日本の湖や池、沼などの淡水域に生息する魚です。

フナの種類には

ゲンゴロウブナ・ギンブナ・キンブナ・ナガブナなどがいます。

写真の個体は当園で飼育しているギンブナです。 

 

その中でフナの突然変異個体の『ヒブナ』という種類がいます。

ヒブナとは本来グレー色の鱗がオレンジ色になった個体です。

 

 

金魚(ワキン)とは

 

 

コイ目コイ科フナ属に属する魚です。 

金魚の品種は日本だけでも30種類以上いると言われています。 

世界の品種も合わせると100種類以上いると言われています。 

写真の個体は和金(ワキン)という種類で

  

金魚の基本型の魚です。

 

金魚のルーツはフナの突然変異種のヒブナです。

このヒブナを人為的に何度も交配させて安定させた個体が金魚の原型です。

そこからさらに突現変異した個体を交配させていろいろな種類の

金魚ができてきました。

 

 

 

 

当園では現在、ワキン、黒コメット、ギンブナを同じ水槽で展示しています。

金魚と鮒を一緒の水槽に入れて展示していますので

金魚と鮒の違いや黒コメットとギンブナの違いを見て楽しんでみてください。

 

                                (T)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2025年03月05日

トレーニングは何のため?(中編)

おはようございます!

こんにちは!

こんばんは!

 

さてさて、トレーニングのお話の中編ですよー(^^)

前回はオタリアのトレーニングのことだけで熱く語ってしまいました…今回は簡潔に!わかりやすく!を意識していきますね。

 

 

自然動物園には、オタリアのほかにもトレーニングを行っている動物がいます。

続いてはヤギ、ヒツジのトレーニングについてご紹介します!

 

以前はほぼ毎日行っていましたが、最近は時々しか出来ていないので、皆さんが目にする機会が少なくなってしまったかもしれませんね(本当は毎日やりたいのですが…)

 

 

まずはコチラ!お散歩です。

 

 

リードを付けて歩いているだけでしょ?と思っていますか?実はこれも立派なトレーニングのひとつなんです。

普通にリードを付けられると思ったら大間違い。ヒツジたちは警戒心が強いため、「捕まえられる!怖いことされる!」と思うと、すぐさま逃げます。

ヒツジたちが人に近づく→首輪にリードを近づける→首輪の金具にリードの金具を当てる→リードを付ける→リードを外す

という工程までが落ち着いて出来るようになったら、ようやくふれあいコーナーの外に出てお散歩が出来ます。

 

ヒツジたちは個体により性格がけっこう違うため、その個体に合わせてトレーニングを行っています。

5頭いるヒツジたちですが、“めい”、“はな”、“しずく”は割とお散歩が上手に出来るようになってきました。

 

 

 

 

次にご紹介するのは、開園前の運動です!

 

 

これは前から時々行っていましたが、少しでも運動をしてもらうためにヒツジたちと人がふれあいコーナーの周りを一緒に走っていました。

しかし、ヒツジたちがたくさん走る前に、一緒に走っている私たちがバテてしまうという…(汗)

 

そこで、効率良く運動をさせてあげられるように、ベルが鳴っている間は走っていてね、ということを教えようとしています。

ベルの音と、走ること。

まだ関連づくまでには時間がかかりそうです(;;)まだ、こちらが一緒に走らないといけない…

 

 

最後に、健康チェックの一つ「削蹄」のトレーニング。

 

 

この写真はヤギのミルキーです。“お手”のサインを出した時に前足を折り曲げて前に出してくれます。その隙に、膝の下に小さい台を滑り込ませます。

そうすると台に足が乗り、普段は下を向いている蹄(足の裏)が上向きになってくれるというわけです。

 

ご存じの方もいると思いますが、削蹄とはいわゆるヤギやヒツジたちの爪切りです。

 

定期的に削蹄をしないと、蹄が伸びすぎて巻き爪のようになってしまったり、変な形になると足に負担がかかってしまったりするため、ミルキーは月に1回、削蹄を行っています。

前足は上手にできますが、後ろ足はまだ練習中。。。

ほかの個体は、前足もまだ練習中です。

 

 

このように、まだ練習中だったり出来ないことは様々ありますが、トレーニングの基本は「コツコツと」「スモールステップで」行うことです。

 

私たちもそうですよね。

今日覚えたことが明日すぐに使えるわけではないし、今日初めて縄跳びを持ったのに、いきなり二重跳びをするのはさすがに難しいです。

 

ましてや、言葉の通じない動物たちとコミュニケーションをとってトレーニングをするには、日々の接し方や地道な積み重ねだなぁと常々感じています。

 

 

 

さて、次回がトレーニングのお話最終回の予定です!

最後はどんな動物が出てくるかな~(^^)

 

 

(W)


2025年03月02日

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