設立趣意
自然の回復を図り、緑を増やし、これを保全することは都市生活を健康で快適なものとするだけでなく、人々の心に安らぎを与え、文化と教養を高める重要な要件である。
また、古くから大小河川に囲まれ、水を利用する一方、水害と闘いこれを克服してきた江戸川区にとって、今後これら河川の水面利用を余暇活動に結びつけ、親水(しんすい)事業を開発促進することは、区民生活をより豊かにするための大きな課題である。
今日、心の豊かさを求める区民の地域活動が活発化するにしたがって、区民ニーズが多様化し複雑化するとともに個性的な環境創造への要請も高まり、これが契機となって新しいコミュニティの形成やふるさと意識が急速に芽生えてきている。
区では、このような時代の要請に応え、つとに長期的展望に立って親水(しんすい)公園の創造をはじめ、ホタルの養殖、ポニーランドの開設など自然の回復のための大胆な試みを行ない、画期的な成功を収めてきている。
しかしながら、区民が遍く太陽と水とみどりの恩恵に浴し、生き甲斐ある都市生活を享受するためには、さらにこれを将来に向かって拡大・延長し、名実ともに水と森の都といえる明るく豊かな地域社会を構築しなければならない。
そのためには、区をあげて英知と努力を結集し、その営みを子々孫々に伝承していくことが必要であり、なかんずく民間の高度な専門知識・技術及び経験と積極的な区民参加に基づく活動的な新たな体制の整備をはかることが急務である。
そこで事業の専門性、弾力性、効率性に着目し、区の環境行政の基本方針と相まって自然の回復及び河川の親水(しんすい)事業に関する調査研究を行ない、区民の公園愛護心及び緑化思想を啓発普及するとともに、公園事業の運営に当るなど江戸川区長期総合計画に基づく緑の文化都市を実現し、もって区民生活の向上と人間性の回復に寄与するため、「財団法人江戸川区環境促進事業団」を設立するものである。
昭和55年4月1日
財団法人 江戸川区環境促進事業団
理事長 中里 喜一